世の中の見方が少しだけ変わるWebマガジン
Sairuma!
企画*配信 佐枝せつこ/川野ヒロミ
クリエイターからの手紙
さまざまな分野で活躍するクリエイターに取材。今伝えたい仕事や取り組み、そして、将来への想いや夢などについてお聞きするコーナーです。
第4回 私の天使の絵の集大成!
オリジナル出版から世界へ羽ばたいたオラクルカード
画家・イラストレーター 奥田みきさん

東京生まれ。東洋美術学校卒業。1990年からイラストレーターとして活動をはじめ、小説の装丁やオラクルカードイラスト、企業カレンダー等、数多くの媒体に採用される。現在はデジタルとアナログの両方を駆使し「西洋幻想画」と「和テイスト」の2つの画風を描き、商業イラストと共に定期的に個展なども開催し、独自の世界を追求中。
<書籍>
『幸福招く 天使を描こう』(廣済堂出版)
『大人の塗り絵 美しい仏画編』(河出書房新社)他 著書多数
<オラクルカード>
『エンジェルプリズムカード』(エンシェラート 奥田さんのオリジナル出版)
『Teenangel Oracle Cards』 (Blue Angel Publishing オーストラリアの出版社 )
●好きな場所:水と森がある場所、神社仏閣、公園、本屋
●好きなアーチスト:Kinuko Yamabe Craft、カールラーション、エドワード・バーン=ジョーンズ.ヤンタラ・ジロー、快慶、東山魁夷など
企画から制作まで 自分の手で作り上げたオラクルカード
学生時代からルネッサンス期の天使の絵やラファエロ前派の絵に惹かれ、天使を描いていました。それが、出版社の目にとまり「スピリチュアル」に関連した天使絵などを依頼されるようになり、「スピリチュアル」の分野に興味を持つ様になりました。その中で、一番興味をもったのがオラクルカードです。オラクルカードは「占い」で使用するカードの一種で、何枚かのカードの中から直感でカードを選び、そこに描かれたメッセージを受け取ります。タロットカードなどに比べて、絵柄や枚数の決まりが少ないのも特徴の一つです。
仕事としてオラクルカードなどの絵を描くうちに、もっと自由に、自分で絵もメッセージも描きたいと思う様になっていきました。それが形になったのが、2016年に出版した「エンジェルプリズムカード」です。ほとんどの場合、オラクルカードは占い師やスピリチュアルの著名な方が文章を担当して出版されますが、私の場合は、絵の世界では実績があっても、占いやスピリチュアルといったことでは実績がありません。そこで選んだのがオリジナル出版(自費出版)でした。企画を立て、文章や絵を描き、印刷を手配し、仕上がってきたカードを箱ごとに分けて封入していく。全てを自分の手で行いました。大変でしたが楽しい作業でした。


オラクルカードでの海外進出と手応え
何より嬉しかったことは、絵の制作において自分の拘りをとことん貫けるため、細部にまで拘った絵を描けたことと、オラクルカードで大事なメッセージと絵のシンクロ率を上げることができたことです。さらに嬉しいことが起こりました。「エンジェルプリズムカード」が、カード販売の委託会社を通して海外の出版社の目にとまり、2018年の8月に英語版とし「TeenAngel Oracle Cards」が発売されたのです(こちらの文章は海外仕様で別の方が書いています)。また、一部のカードの絵が、2019年2月に「オラクルアート」としてエポック社からジグソーパズル化され発売されました。
オリジナル出版として世に送り出したカードが、海外進出を果たせたのも、ジグソーパズルとして、多くの方に楽しんでいただけるようになったのも、カード1点1点に「自分の描きたい世界観」を存分に描き表せたからだと感じています。
今後も自分のこだわりを活かせる活動を!
ゲームのための絵を描く仕事をしていたこともありますが、自分の拘りを活かせる活動をしていきたいので、今は和・洋問わずに昔から好きだったものを描いています。出版の仕事も好きなので、今後も色々企画提案などをしつつ、「一点物」の絵画作品も沢山描いていきたいです。
現在は、2019年10月に発売される、新しい「オラクルカード」のための絵を制作しています。こちらの詳細はまだ公表できませんが、カードの主題の専門家の方と組んで制作しています。描きたかったテーマのものなので、とても楽しく描いています。
また、2020年に画業30周年になるので、3月にその記念も兼ねて個展を計画しています。個展では新作カードの絵をメインに、オリジナルでは日本神話の絵も描く予定です。
奥田みきさん HPはコチラ↓

